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外資マーケティング・ファイナンスのプロフェッショナルによる戯れ。

株も恋愛も分散投資しようという話

 ファイナンスといえばお金。お金といえば、お金持ちは女性にモテる。さらに言うと外資ファイナンスはモテる。イケメンだと尚良し。

もちろん、そんな陳腐なことを書くためにこの投稿をするわけではない。今回は、経営や投資に適用されるファイナンスの理論と恋愛について語ってみたい。

経営・投資におけるファイナンス

経営・投資におけるファイナンスとは何なのか。一文で表すと、「限りあるリソースを効率的に投資し、リターンを得て、付随するリスクを管理すること」である。

ナンパも人間による活動であり、限りあるリソースを消費するという考え方においては同じだ。恋愛市場にいるプレイヤーが持つ一般的なリソースの例として、金、時間、体力、意思決定に使うエネルギーなどが挙げられる。これらの資源をどのような投資対象に投下するのかがカギとなる。

株式投資や事業経営において必ずと言っていいほど出てくるのがポートフォリオ理論。「卵をひとつのカゴに盛るな」という有名な言葉を聞いたことはあるだろうか?大事に物は出来るかぎり分散しようという考え方で、分散投資の重要性を説いている。どんな株でもビジネスでも株価や収益が下がるリスクはある。しかし分散投資により、一つの株が下がったとしても、他の株が上がれば全体の収支をプラスに保ち、リターンを得ることができる。

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恋愛市場でのリスクとリターン

では、これを株式市場ではなく、恋愛市場に置き換えてみよう。

人は拒絶されることを恐れる。送るLINEのメッセージを何度も推敲し、高級フレンチをご馳走し、幾度のデートを重ねたのにフラれたりするのは、精神的にキツい。そのリスクを鑑みた上で、一般的な男性は「告白」という儀式を執り行うわけだ。

リスクをとった結果、得られるリターンは何か。これは個人によって捉え方が変わってくる点ではあるが、モテたいという欲求は男という生物として持っているのは自然であり、否定する人は少ないだろう。便宜上、目標となるリターンは、なるべく多くの女性とセックスできることとする。

多くの男性は、一人の女性に対して金や時間を投下し、忠誠を尽くすことが正しいアプローチだと信じている。だがこれはポートフォリオ理論をもってすると極めて非効率と言わざるをえない。

恋愛市場において、我々男の投資対象となるのは女性であると考えた時、一人の女性に対して全てのリソースを費やすことは、一つの株に一点張りして全財産をつぎ込むのと同じだ。もしその女性が振り向いてくれないケースを考えられていない、極めてリスクの高いポートフォリオとなってしまう。

 

ポートフォリオ理論の実践

では複数の女性に同時にアプローチ=分散投資をすることによってどのようなメリットがあるのか?

まず、リスク分散によって精神的余裕が生まれる。その余裕が「モテスパイラル現象」を起こす確率が圧倒的に高まることが最大のメリットである。

余裕のある男は一人の女性に振られたり、LINEを既読スルーされたりしても、「まあ他があるからいっか」で済ませられる。前提として多くの女性は必死になってアプローチしてくる男性に魅力を感じない。「〇〇ちゃん今何してるの?」「次いつ空いてるの?」「なんでライン返してくれないの?」などと連続してメッセージを送ってくる男に対して思うことは「こいつどんだけヒマなんだ…」であり、「一途な△△君素敵!」とはならない。

このように一人の女性に夢中になり、その人から連絡がきたらすぐ返信するのを避けたい。多数の女性と同時にやり取りすることによって、返信するのを「めんどくさくする」。これが余裕につながるのだ。

精神的な余裕を持つことは、恋愛市場の中のプレイヤーとして生き残るための必要条件である。株式投資と一緒で、一つの株(女性)に対する投資を失敗したとして、そこで投資をやめてしまっては元も子もない。複数の投資対象にリソースを分散させ、最後にトータルで勝っているかどうかが重要なのだ。最後まで続けた者が勝つのは、投資でも恋愛市場でも同じである。

モテスパイラル現象

恋愛市場における分散投資は株式市場における分散投資よりさらにポジティブな効果がある。かの有名な藤沢数希氏が考案した恋愛工学の用語で「モテスパイラル」と呼ばれるものである。

女性は、見た目や中身がどうであろうと、モテている男性を好きになるという傾向がある。多くの女性に一度にアプローチして、デートなりセックスをしていれば、当然経験値を積むことでお持ち帰りできる確率が上がる上に、自分に余裕が生まれる。「この女に断られても別の女がいるから大丈夫か」という余裕だ。その余裕は内面からにじみ出てくる。行動や言動にも現れる。この余裕に惹かれて、より多くの女性をattract(魅了)することになる。

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このスパイラルにはまることにより、モテている男性がさらにモテるという現象が起きる。一人の女性に好かれると、他の女性にモテだすというのは不思議な話かもしれないが、生物学的にメスは強いオスを好むという原理に則った現象なのだ。

モテスパイラル現象を信じられない人のために、藤沢氏著・恋愛工学本「ぼくは愛を証明しようと思う」でも書かれていたグッピーの実験を紹介しよう。

 

ぼくは愛を証明しようと思う。

ぼくは愛を証明しようと思う。

 

まず、グッピーのオスは精子を出すだけで、子育てはしない。つまりグッピーのオスのモテは尾ひれの長さなどの外見的特徴で決まってしまうと考えられていた。ところが、単純なグッピーですらモテはルックスで決まらないことを、ドガドギンという学者が実験で証明した。

利己的な遺伝子 <増補新装版>

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ドガドギンは水槽を透明な仕切りで3つに分けて、下記の順番でオスとメスのグッピーをぶち込んだ。

オス|メス|オス

真ん中のメスは両サイドのオスの様子が見えている状態だ。そこで実験検証のために、新たなメスをもう一匹左のオスのところに入れて交尾させまくった。(右のオスは独り悶々として眺める負け組である。)交尾が終わり仕切りを外すと、別のメスと交尾していた左のオスが真ん中のメスから交尾の相手に選ばれる確率が圧倒的に高かったのだ。

これを人間に置き換えると、冒頭に書いたようにイケメンや金持ちがモテるわけではない。他の女性にモテている男がモテるのだ。そしてモテスパイラル現象を起こすために必要なのは、より多くの女性に一度にアプローチする=分散投資を恋愛市場で実践することなのである。