外資ナンパドットコム

外資マーケティング・ファイナンスのプロフェッショナルによる戯れ。

ナンパとマーケティングの関連性はなぜ強いのか

 

「ナンパとビジネスは非常に関連性が強い」とプロローグで述べたが、

今回は「ナンパとマーケティングの関連性はなぜ強いのか」について簡単に説明したい。

その理由をナンパからセックスが成立するまでの流れを振り返りながら展開していく。

 

読者であるあなたは、1週間の退屈な仕事を終えて、金曜夜に六本木のクラブでOne nightのパートナーを探しているとしよう。クラブを見渡す限りどの女性も似たファッション・メイクでどれもパッとしない。今夜は酒と音楽を楽しめればいいかと思ったそのとき、目の前にモデル級の美女が現れた。


男が釘付けになる美女(消費者)は、カウンターに背を向けて佇むあなた(商品)と目が合う。(認知)。モデル級の女性をほっとけないあなたはすぐ会話を切り出す。二人は会話が弾むにつれて、女性も今晩一緒に過ごしても良いかもしれないと感じ始める(興味)。

そこであなたから女性に二人で外に出ようと提案。女性はメリット・デメリット(比較・検討)を考慮した結果、ホテルに向かいセックス(購入)をすることを決意する。

もしも相手が満足するセックスを提供できれば、向こう側から自然にもう一度あなたに会いたい(リピート)と連絡してくるはずだ。

この一連のフローは読者の中で実際に経験した人も多くいるだろうし、映画の世界で見たことがあるかもしれない。だが実際、あなたは消費者としてドラッグストアでシャンプーを購入する時も全く同じプロセスを辿っているのだ。

むしろ、シャンプーをたった1本売るほうが、セックスを1回するより難しいと考えてもらってよい。

シャンプーは狭苦しい棚にポツンと置かれ、お店に来た消費者に気づいてもらうことから始まる。消費者に認知してもらうために、せいぜい出来ることはアイキャッチシール(製品本体に貼られたシールで、 50ml増量!とか嘘のメッセージが書かれている)くらいだ。

 

奇跡的に製品が消費者の目に留まったとしよう。そこで、消費者に対してこれだけ魅力的な製品だから、今買うべきであると伝えなくてはならない。

だが、シャンプーが直接的に消費者に伝えられるメッセージは製品に記載された言葉と店頭にある説明だけである。しかも、同じ棚にはCMで良く見る製品が並ぶ競合がひしめく環境の中でである。

一方、私たちが相手に知ってもらい、セックスに値する人間だと伝える方法は無限大だ。人間には移動の自由があって、シャンプーにはない。人間には相手の選択の自由があって、シャンプーは購入者を選べない。人間には発言の自由があって、シャンプーにはない。

だからこそ、製品を売る「マーケティング脳」を武器として備えフル回転させれば、寝る相手を見つけることは非常に簡単なのである。

 

ここまで書けば「ナンパとマーケティングは関連性が強い」ことを理解してもらえただろうか。だからこそ

マーケティングを制する者はナンパを制する」

「ナンパを制する者はマーケティングを制する」

次回以降はマーケティングスキルをどのようにナンパに活用していくのかを中心に話す。

マーケティング基礎のポジショニング・ニーズ・プロモーションのみならず、

ノーベル賞受賞者であるカーネマン氏の理論や我々が考えた独自のフレームワークも紹介しながら、それらをどうナンパに応用するのかを説明したい。